梅干しに白い物が発生しているとびっくりしますよね。
長期的な保存が可能で、抗菌や解毒作用があり、腐りにくい梅干しですが作り方や保存状態によってはカビが生えてしまいます。
一方で梅干しに含まれる塩分が結晶化してカビと見分けがつきにくい物体になっているという可能性もあります。
今回は梅干しにカビが生える原因やその対策についてご紹介していきます。
目次
梅干しのカビの見分け方について
梅干しのカビは塩と見分けが難しく、溶けなかった塩が固まって一見カビのように見える事もあります
【白カビの主な見分け方は2つ】
- ふわふわしている…塩の場合固そうな結晶ですが、カビの場合はふわふわして綿のような状態になっています。
- 膜のようなものがついている…梅酢の上の方に膜のようにして白いものが浮かんでいる場合は白カビの可能性が高いです。
【黒カビの見分け方】
一部、または全体が黒や緑などに変色をしている場合は黒カビである可能性が高いです。
白っぽい部分も含まれますが、白カビではなく密度の低い黒カビです。
白い場合
梅干しにびっしりと白いものが付着していたらカビ!…ではありません。
塩の結晶という可能性もあるので確認が必要です。
【塩の結晶ができる原因】
塩分濃度が18~20%と高い場合、塩の結晶ができやすくなります。
また、容器が完全に密閉されていないと中の水分が飛んで塩だけが乾燥して残り、白くなってしまいます。
【見分け方】
粉を吹いたような状態になっていると塩とカビの見分けが付きづらいです。
白いものが生えている梅干しをお湯の中に入れ、溶けない場合はカビという可能性が高いでしょう。
溶けた場合は塩の結晶でカビではありません。
臭いをかぐという方法もありますが、梅干しは独特の香りが強いので判断が少し難しいです。
白カビは食べても無害という認識がありますが、見た目が白くても密度の低い黒カビであったり、中身の劣化が進んでいたりします。
カビが生えたものは勿体ないですが食べずに処分した方が良いでしょう。
黒い場合
梅干しに黒い綿のようなものが生えていたら黒カビです。
原因は容器や梅の消毒不足、梅酢にきちんと浸かっていなかった等です。
【見分け方】
臭いをかぐとツンとしたカビのにおいがします。
黒カビは食中毒やアレルギーの原因となりますので食べる事は避けましょう。
梅干しのカビの原因は!?
梅干しのカビの主な原因は下準備にあります。
【除菌不足】
梅干しを作る際に梅や器具の消毒が不十分だとカビが繁殖しやすい環境になってしまいます。
必ずしっかりと除菌を行いましょう。
容器は洗剤で洗い、熱湯とアルコールでしっかりと消毒して乾燥させておきましょう。
梅の実もアルコール消毒します。
使用するのはアルコール度数35以上のホワイトリカーや焼酎が便利です。
【乾燥不足】
カビは水分で繁殖します。
梅の実は洗った後しっかりと乾かしておきましょう。
乾燥が不十分だと表面にカビが繁殖しやすい状態となります。
【へその部分の取り扱い】
へその部分を取ると水分の多い中身がむき出しの状態となります。
そこにカビ菌が侵入するとあっという間に広がってしまいます。
梅のへその部分を取り除く際は清潔な手で素早く行いましょう。
へそを取ったらすぐに塩をつけて瓶に入れていきましょう。
下準備をしっかりと行えばカビの生える可能性はぐんと下がります。
梅干しにカビが発生しない為の予防対策法とは!?
【腐食しない容器を選ぶ】
梅干しは塩分と酸が強いため、金属製のものを使うと腐食が起こり、雑菌が入りやすい状態となります。
漬物用の容器や陶器、ホーロータンクなど腐食しないものを選びましょう。
【貯蔵びん】
金属を使っていないので腐食にも強く、便利です。
【ホーロー容器】
ホーローは梅干しを作る事は可能ですが、長期保存には向いていません。
作った後は別の容器に移し替える必要があります。
【梅酢にしっかりと浸す】
酸はカビ菌を抑制しますので、梅干しを漬け込む際はしっかりと梅酢に浸しましょう。
梅酢が上がってきたら毎日容器を揺すり、全ての梅が梅酢に使っている状態を保ちましょう。
【土用干しで殺菌】
梅雨が明け、夏の強い日差しが出てきた頃合いに土用干しを行います。
使用する道具は除菌しておき清潔なものを使ってください。
直射日光に三日三晩当ててしっかりと除菌と乾燥をします。
晴れの日でないと湿気で傷む原因となってしまいますので、梅雨が明けたかどうかと天気予報を確認してからおこないましょう。
3日間干したままにするので、ホコリの付着を防ぐネット付きのざるがあると便利です。
梅干しの黒カビは不吉と言われる原因とは?
梅干しにまつわる言い伝えの中に「梅干しにカビが生えると不吉の前兆」というものがあります。
【印象に残る】
昔の人にとって、抗菌や殺菌作用のある梅干しは薬や健康食品のような認識でした。
「梅は三毒を絶つ」という言葉がある程です。
当時の梅干しは塩分が30~40%とかなり濃いめ。さらに酸に守られるためあまりカビることの無い食品です。
そんな梅干しにカビが生えてしまうというのは一大事ですし、強く印象に残ることでしょう。
そこに不吉な出来事が重なると、関係の無い2つの出来事が結びついているかのように思えてしまうのです。
【環境の問題】
梅干しにカビが生えるというのは、気温や湿度が例年と違った環境であったという事も考えられます。
カビの生えにくい食品にカビが生える程の環境の違いは当然人間にも影響を及ぼします。
体調を崩したり、免疫力が低下したりと不調が出る=不吉だという認識になったのかもしれません。
まとめ
梅干しに発生する白い物はカビか塩の結晶である可能性が高いです。
- 梅干しのカビ…白くふわふわしている、膜が張っている、黒や緑に変色している場合はカビである可能性が高いです。
- 塩の結晶…白カビと少し似ていますが白くて硬いのが特徴です。塩分濃度が高かったり密閉されていないとできやすくなります。
- 見分け方…お湯につけてみて溶ければ塩の結晶、溶けなければカビです。
- カビの原因…梅や器具などの消毒が不十分、梅が乾燥していなかった、へその部分から雑菌が入った等。
- カビの予防対策…陶器など腐食しない容器を選ぶ、梅酢にしっかりと浸ける、土用干しで殺菌を行う等。
梅干しをカビさせないためには殺菌や梅酢にしっかりと浸ける等、作る際のひと手間が大切です。
もちろん作った後はきちんと密閉できる容器に入れて冷暗所で保管をしてくださいね。