れんこんはハスの地下茎が肥大した物で、蓮田や沼沢地で食用として栽培されています。
中に空洞があり節に分かれていて輪切りにすると見通しが良いので、縁起の良い食べ物として扱われています。
お正月のおせち料理やお祝いのメニューには、れんこんは欠かせません。
れんこんは日持ちする食材と思われがちですが、実はそうではありません。
泥の中から収穫した直後から、鮮度がどんどん落ちます。
そして気が付いたらカビが発生していることも、めずらしくありません。
ここでれんこんのカビの原因やカビ防止の方法、そしてスーパーのれんこんの選び方まで一挙にご紹介します。
目次
れんこんの白い綿毛のようなものってカビなの!?
れんこんは保存が効かない食品で、きちんとした方法で保存しても1週間程度ですぐにカビが生えてしまいます。
れんこんを調理するために冷蔵庫から出した時、まわりにタンポポの綿毛のような白いふわふわした物があったら、それはれんこんに発生した「白カビ」です。
白い綿毛のような白カビはれんこんに一番発生しやすいカビで、カットした表面や皮に付いている場合は厚めに切れば食べられます。
しかしカビはれんこんから栄養分や水分を吸い取って成長するので、カビが発生したれんこんは食感や風味が落ちています。
れんこん穴の部分が黒い原因は?
れんこんを調理しようとしたとき、穴の中が黒く変色しているカビに出会う事があります。
これはクロカビかと一瞬思ってしまいますが、れんこんの穴が黒いのはそうではありません。
その原因はれんこんの酸化です。
れんこんにはポリフェノールの一種「タンニン」が含まれていて、収穫してから時間が経つと空気中の酸素と結合して黒く変色します。
酸化したレンコンは食べても問題はありません。
しかし黒く変色している部分は穴以外にも広がっていたり皮の部分まで黒色が広がっているものは、れんこんが腐っている可能性が高いです。
ぬめりがあったり異臭がするような酸化した状態と違うものは、食べてはいけません。
れんこんが赤く変色している場合は?
れんこんを切ってみたら、赤く変色していたことはありませんか?
腐ったのかなと心配になりますが、これもそうではありません。
これも「酸化」が原因です。
れんこんに含まれているポリフェノールの「タンニン」は、まれに土に含まれている「鉄」と反応して「タンニン鉄」に変化します。
酸化の仕方の違いによって、この場合は赤く変色します。
またれんこんの表面が赤く変色していることがありますが、これはれんこんの表面に酸化鉄が付着した「赤しぶ」という状態です。
れんこんは葉から吸収した酸素を泥の中に排出していて、その時に泥に含まれている鉄分と反応して酸化鉄が表面に付着します。
最近は収穫方法を工夫して赤く変色しないようにしていますが、それでも赤く変色したれんこんが出回ります。
酸化で赤く変色したれんこんは、食べても問題ありません。
れんこんがカビてしまう原因とは!?
れんこんは泥の中で成長する野菜なので、そこから収穫するとすぐに鮮度が落ち始めます。
そして長期保存が効かない野菜なので、買ったまま冷蔵庫に入れておくとすぐにカビが発生します。
れんこんにカビが発生する原因は大きく分けて2つあります。
- れんこんが乾燥する
- 買ったまま使わずに長期間保存している
れんこんは泥の中で育つので空気や直射日光がとても苦手です。
空気に触れ直写日光を浴びるとれんこんは乾燥し、すぐに傷んでしまいます。
買ってきたままキッチンやテーブルの上に置きっぱなしにしておくと直射日光に当たりやすく、空気にも長時間触れています。
空気中のカビが入り込み繁殖しやすい環境になるので、すぐにカビが発生します。
このように保存が効きにくい野菜なので、使う計画がないまま買ってきてしまうと保存期間が長くなります。
買ったまま忘れて冷蔵庫の野菜室に入れたままにしておくと、1週間後には限界を過ぎているかもしれません。
れんこんのカビの防止方法とは!?
れんこんは泥の中で育つので、空気・直射日光・乾燥が苦手です。
れんこんは買ったらすぐに調理するのが一番安全で美味しく食べることができます。
れんこんは傷みやすく、傷むとすぐにカビが発生します。
したがってカビを防止するためには、劣化を防ぐ手段をとりましょう。
【れんこんの保存方法】
① 冷凍保存
れんこんは適切な方法で冷凍保存すると、傷みが少なくカビも発生しません。
冷凍しても食感が変わらないので、買ってきてもすぐに使う予定が無ければすぐに冷凍処理する事をおすすめします。
食べやすい大きさにカットしたレンコンは生のままでも冷凍できますが、下茹でした方が食感が失われずに残ります。
酢水に浸けて変色を防ぎ、水気を拭き取ったらジップロックなどに入れて冷凍保存します。
② 冷蔵保存
れんこんを買ってきたら冷蔵庫に入れて保存する人が多いと思いますが、そのまま入れずに適切な方法を取るとカビの発生が防げます。
泥付き一節丸ごと保存するときは水で濡らした新聞紙でれんこんを包み、ビニール袋に入れて乾燥防止をして冷蔵庫で保存します。
また水をはった蓋付きのタッパーに入れても冷蔵保存できます。
③ 常温保存
途中でカットされているレンコンは常温保存できませんが、一節丸ごとのれんこんは常温保存できます。
泥つきのレンコンは泥を落とさずに新聞紙に包んでからビニール袋に入れて、風通しの良い冷暗所で保存します。
れんこんの保存期間の目安はどれくらい?
れんこんは保存が効かない食品ですが、保存方法を工夫すると長持ちさせられます。
【れんこんの保存期間の目安】
- 一節丸ごとのれんこん:約1週間
- 水に浸けて冷蔵保存したれんこん:約2週間(毎日水を交換する)
- 切って水漬けして冷蔵保存したれんこん:約5日間(毎日水を交換する)
- 加熱処理して冷凍保存したれんこん:約1ヶ月
- スライスして干したれんこん:冷蔵保存で数か月間
スーパーのれんこんの上手な選び方は!?
スーパーでれんこんを選ぶときに、鮮度が良く傷んでいない物を選ぶこともカビ予防対策の一つです。
選び方は簡単なので、ここで覚えておきましょう。
【選び方のポイント】
- 傷や黒ずみが無い
- 太くてまっすぐ伸びている
- もった時にずっしり重さを感じる
- 皮にツヤがある
- カットしてあるものは切り口が新鮮で変色していないもの
これらのポイントを踏まえて、できるだけ状態の良いれんこんを選びましょう。
まとめ
れんこんのカビについて取り上げ、原因や保存方法についてご紹介しました。
れんこんは酸化によって黒や赤に変色しますが、変色したれんこんは食べてももんだいありません。
しかし白いふわふわした綿毛は白カビなので、その部分はしっかり取り除かなければいけません。
れんこんは泥の中から収穫したら傷みが早く、直射日光や乾燥が苦手です。
スーパーなどで買ってきたら、すぐに調理するとカビが防げます。
しかし保存期間が長くなりそうな場合は、れんこんを適切な方法で保存したら長期間保存してもカビの発生が防げます。