着物は現代では着る機会が少ない衣服です。
したがってタンスの奥にしまっていたり長期間ハンガーにかけっぱなしということもあります。
一度しか着ていないまたは一度も着ていないのでカビが生えてしまった、ということはありませんか。
着物は繊細な生地ゆえにゴシゴシ洗うことが難しい、躊躇してしまうことも多い衣服です。
それゆえにカビを放置したまま捨てることも少なくありません。
今回は着物のカビについて書いていこうと思います。
目次
着物がカビ臭い原因とは?
着物からカビの臭いがしたら、まず間違いなくカビが繁殖しています。
この原因となるものは、カビの繁殖する環境にあると考えられています。
ご存知の通り、カビの菌は空気中どこでも浮遊しており、一部の無菌室などを除いてはどこにでも存在しています。
しかしこれだけでは繁殖には至りません。
繁殖には条件が揃うことが必要で、温度・湿度・カビの繁殖に必要な栄養源、例えば汚れやほこりなどがあることです。
着物にカビが繁殖する原因として、一番多いのが湿気である。
まず着物はタンスなどに保管する前に、着た後にはクリーニングなどで洗濯をするので汚れが残るということはほとんどありません。
保管の際には場所によっては温度と湿度が繁殖する条件に当てはまり、そこにカビ菌が付着していたら繁殖すると言われています。
クリーニングなどの洗濯でも、汗染みや洗い残しがある場合には、そこを中心にカビが繁殖することが多いです。
たとえ一度も着ていなくてもカビが発生することはあり、それは周囲からカビが移ったり、カビが生える環境に保管している可能性を疑いましょう。
自分で着物のカビの匂いを取る方法!
カビの臭いを取る方法は、カビを分解する他ありません。
着物にカビが発生している箇所に対して、消毒用のエタノールを霧吹きやスプレーで吹きかける方法があります。
ハンガーにつるした着物に対して、この方法を行いますが、注意が必要になります。
それはカビは分解できるかもしれませんが、着物の生地を痛めてしまうということです。
着物の生地は通常の記事よりも傷みやすく繊細につくられているので、素人が自宅でカビの分解を行うと痛める可能性が高いです。
しかも、仮に着物を傷めずにカビを除去分解できたとしても、それでは根まで分解しきれていない可能性があり、すぐに再繁殖してしまうでしょう。
一時的な応急処置としては、この方法は非常に効果的ですが長期的な目で見ればこの対処法では不十分となります。
一時的ににおいを取りたい場合にこの方法を実践してみましょう。
ドライヤーをあてる
ドライヤーで当てることは絶対にオススメできない選択肢です。
カビ自体には効果がありますが、着物の生地には大ダメージを与える結果となります。
乾燥に使う場合もありますが、カビの分解や除去の際には素人がドライヤーを当てるのは避けた方が良いと思います。
臭いを飛ばす目的ならば風量を小さくしたり、ドライヤーではなく扇風機でも代用してもいいでしょう。
スチームアイロンを使用する
蒸気が出るスチームアイロンは、素材に対して問題なければ全体にかけることで臭いも飛ばせて殺菌作用も期待できます。
アイロンを使用する際には、裏側からゆっくりとかけてから表側を書けるのが理想的です。
ただし、生地は傷む可能性が高く、蒸気によって生地が収縮したり変色したりすることもありますので、素人が行うのは避けた方が良いでしょう。
お茶っ葉を使う
使用するお茶っ葉は乾燥させたものを使い、タトウ紙に包んだお茶をパックのようにして使用します。
畳んだ着物と一緒に、用意したお茶っ葉を包んだものを保存し数日置いた後で、臭いが取れていることを確認します。
部屋に干して乾燥させる
部屋に干して乾燥させることで臭いが取れることもありますが、上記のような特別なことをしないでただ放置して乾燥させるだけでは不十分な結果となることが多いようです。
着物の白カビを取る応急処置方法は?
カビ臭くなってしまうのは、すでに保管に問題がある可能性があるということを示していますので、まずはカビをこれ以上繁殖させないように保管方法と場所を見直しましょう。
応急処置と呼べる対処法は上記に記載したものがそれに該当しています。
いずれもカビの臭いを目立たなくさせる一時的な対策法となっていますので、長期間は持たせることが難しいです。
そしてカビが生え始めたくらいでしか効果を発揮できない方法ですので、もしもカビがひどく繁殖しているようでしたら専門のクリーニング業者に依頼するのがよろしいかと思われます。
一度カビが生えてしまったら、広がらなくするか、処分することも検討してみましょう。
着物のカビ取りをクリーニングに頼む場合の値段は?
生地や着物専門であることや地域にも因りますが、3000~15000円くらいでクリーニングに出すことができます。
ただし一度見てもらい、専門店でもお手上げの場合もありますので、専門店での説明はしっかりと聞いてからカビ取りしてもらうかを決めましょう。
事前説明で生地が傷んだり色落ちする恐れがあると言われるのがほとんどのようです。
着物にカビが生えない為の予防法!
着物を着た際の汗などをそのままにしないでできるだけ早くクリーニングに出してから畳んで保管することです。
保管場所も湿度が高くならないように乾燥材とともに入れたり、ほこりがたまらないような工夫をしたところに保管しましょう。
カビの繁殖条件の中で最も着物と関係しているのは、湿度と言われていますので、湿度コントロールをしっかりとできることが重要となります。
まとめ
カビ臭く感じたら、まずはクリーニングに相談してみるのが一番早いでしょう。
着物は自分で洗濯するのが難しい、出来ないことはないが着物自体を傷つけてしまいますので、結局のところ専門家に見てもらうことになるのが多いと思います。
クリーニングでもカビ臭いのは治せますがカビを除去分解するのは難しいと言われており、カビ菌の専門家に見てもらうことになります。
値段から見ても、カビ業者に依頼してカビを除去してもらうことと買い替えることで比較されることが多いですが、その着物を何度も着るのであれば業者に依頼してみましょう。
数年に一度くらいしか着ないなら処分して買い替えた方がいいかもしれません。